ランニングシューズに対する考え(役割編)
2020年1月現在において、長距離走界隈においてシューズというのはホットな話題の1つです。
それについて個人の考えを述べていきます。なおこの先の文章は既に発表されている関連論文等を一切読んでいない個人の感覚による文章である事を初めに述べておきます。
目次
結論
まずはじめに私の結論としては2020年1月現在で長距離走の競技性を著しく損なっているシューズが制限を受ける事なく存在しており、それらは公認レースにおいて禁止されるべきと考えています。
ちなみにこれらのシューズに該当するうちの最もメジャーなものを使用している時の感覚は「そのスピードを出すために必要な力を使っていない」です。
シューズの役割
まずはじめにこの点をはっきりさせていきます。
私の考えるシューズの役割は大きく2点です。
1点目 足を保護するクッションの役割
日常生活においても現代では裸足ではなく靴を履いて活動する事が多いです。ただ歩くことにおいても地面(土、アスファルト、芝生等)を歩く際に裸足では脚にかかる衝撃が大きく、長時間の歩行は困難です。それを緩和するためにシューズを履くことが多いです。走る際においては浮いていた脚が地面につく際に衝撃を受けますがその緩和ということになります。
一般的にはより厚みがあるシューズ、柔らかいシューズほど衝撃を抑えることができます。
このクッションとしての役割によって裸足より長く走ることができます。
2点目 より大きな力を地面に伝え受け取る
走るという行為は自分の脚で地面を蹴ることで行われます。その際に地面から受け取った力と向きによって進む速さが決まります。
自分で決めることができることのうち地面に加えられた力がより大きいほど、そして適切な力の向きであるほど速く走ることが出来ます。
しかしながら直接地面を押す時に比べてシューズを履く時では伝わる力が小さくなります。これは単純にクッションとして作用したからです。
他にも、ロスの要因はあります。学生の頃土のグラウンドで走った際に滑ってうまく走れなかったことがあるかと思います。これも脚から地面につたえた力より、地面から受け取った力が小さい事の一例と言えます。
これらのロスをなくすために滑りにくい走路が作られ、グリップ力のある地面を噛むことができるソールが作られ、足とシューズの一体感を高めるアッパーが作られています。
そして、裸足よりもより生み出した力と受け取る力のロスを減らすことができました。
これまでは薄く、硬いシューズほどより大きく力を伝えられると考えられていました。
シューズに課せられるべき制限
以上の2点が私の考えるシューズの役割です。(もちろん、広告としての役割、ファッションとしての役割等もありますが)
次に、陸上競技としてあるべきシューズの役割について自分の考えを述べていきます。
わたしは「競技」において一番大切なことの1つに「公平さ」があると考えています。競技である以上相手がいます。その相手に対して公平であることが求められます。
そして陸上競技は水泳と同じく「記録」を競います。この記録は人体の限界に挑戦するのもでありこの挑戦は過去未来も含めて公平でなければならないと考えます。
ここで何をもって公平であるといえるかですが個人的には陸上競技の場合「運動方向に対して人体のみで生み出した以外の力を受け取ってならない」ことだと思っています。
「受け取る力を減衰させる(クッション)」や、「力を無駄なく使い切る(スパイク)」は問題ないと考えています。
長くなりましたが、ランニングシューズに課せられるべき制限になります。
2番目のアシスト、ブースターの役割に制限を設けるべきと言うことです。1番目のように人体のみで再現は不可能だけど負担を減らすためのサポーターの役割は制限をかけるべきでないと考えています。
ランニングにおけるバネ
ランニングという地面を蹴る行為の中で前に進むための力は大きく分けて2種類あります。
「0から生み出された力」と「既に持っていたエネルギーによる力」です。
前者は脚が地面を蹴り上げる際に生み出されるもの、後者は筋肉の伸長によるものです。もちろんこ蹴り上げる際にバネの力も使っています。
筋肉の伸長というものは縮ませたバネが伸びる様子と同じに考えてもらうとわかりやすいです。一度縮ませたバネは伸びきった後にもう一度縮みまた伸びるということを繰り返します。
この縮んで伸びる動きは浮いていた脚が地面についてから離れるまでに行われます。わたしは先程の項目で挙げた地面から受け取る力というのはこれらの2つの力の合計と考えています。
現在のシューズ事情
ここで今話題のカーボンプレート入りのシューズですが私個人の使用した感覚ではアシストの役割を持っていると考えます。果たしている役割としては「伝えられる力の減衰」と「受け取る力の増幅」があります。
「伝えられる力」というのは可能と受身両方の意味です。
まず可能の意味では脚から地面に伝える力に制限がかけられると考えています。これは先程の0から生み出す力が減っているという意味です。これにより短距離走においてはヴェイパーフライよりも効果の高いシューズがあるといえます。
スパイクなど、より効率よく力を伝えられるものです。
次に受身の意味では設置の際に受け取る脚に跳ね返ってくる力(いわゆる足への衝撃)がシューズが受け止めることによって軽減されていると考えています。この点だけで有れば「クッション」としての役割だといえるのですが問題になるのはシューズが受け止めた力がどうなっているかです。
わたしはこの力が「脚が地面から受け取る力」として作用しているのではないかと考えています。
本来であれば太ももや脹脛で行われていたことがシューズが代替することによって行われていると考えています。
これはいずれのシューズでも起きていることですが人体で行う以上の効率となっていると見ています。
この余剰分を「0から生み出す力」に充てることにより人体で使うエネルギーを小さくし、これまで10kmしか持続できなかった走りが11km保てるようになった。10kmで使い切るために出力が上がりスピードが上がっていると考えています。
これはシューズの役割である「保護クッション」以上の役割となっているのではないかと考えます。
そのようなシューズは複数あると思います
助力となっているかどうかの基準
私としては足底と靴底それぞれの地点で持つ力の差で見れば良いと考えます。
以上がわたしの昨今のシューズ事情についての見解です。
駄文、人によっては妄言と捉えられるものでしたが最後まで読んでいただきありがとうございました。